Movie Review:女神の見えざる手 Miss Sloane

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ゼロ・ダークサーティで冷酷で優秀なCIA分析官を演じたジェシカ・チャスティンガ出ているので迷わず見た。彼女は美しいのだけど、影を感じさせる俳優でそれでもっと見たくなる。赤毛もとても魅力的。

今回は大手ロビー会社に勤める、やはり優秀なロビイスト
専門は税法と自由企業に対する政府の干渉から企業を守ることでそれが彼女の仕事。
法案が成立する時に投票権をもつ政治家に働きかけを行い、政治を動かすほどの大きな力をもっている。

政治活動をするロビイストは、アメリカ政治に欠かせない存在だけど、なんとなく、田舎の
農場経営者なんかを想像してしまうのだけど、彼女は洗練されたプロのロビイスト
ワシントンに住んでパーティに出て、献金をする経営者や資産家に会い自分クライアントが通したい法案に賛成するよう呼びかける。

優秀な女性が職務を果敢に全うすると「エキセントリックで冷酷」といつも形容されてしまうのだけど、まさにそんな役柄を演じていてリアル。

そんな彼女の力量に目をつけたのが銃規制法案を廃そうとしている銃所持賛成派の重鎮だった。
彼女は、そんな大物からの誘いを自分の主義と違うからといって断る。ここがかなりカッコイイ!
でも今後の彼女の苦難の始まりでもある。

どこの世界でもよくあることなのだろうが、強大な力を持つものに逆らうと個人攻撃を受けてつぶされてしまう。
日本でも最近、原発に反対する知事が女性問題で辞職したけど、それも「原発推進派が仕組んだことでは?」と疑ってしまう自分がいる。

彼女は、目標達成のためには手段を選ばない非道なやり方を非難されているが、自分の信念(自由企業を政府の干渉から守る)に忠実でブレがない。
アメリカで子供の命を簡単に奪う銃の所持のために所持人記録を義務付けるという法案(銃を規制する訳でもない)を通すために自分のキャリアと命を懸けて闘っているのだ。

彼女は、審問に呼ばれて不正の追求を受け、政治に巣食う「寄生虫」と中傷される。
最後、それに反論する彼女の胸をすく反論をする。そこが見所。

----以下引用(ネタバレなので、いやな人は読まないでください)---

「銃規制強化法案 投票の際は議会の皆さんには
私の後ろに座る人々を手本にしてくださるよう望みます
彼らは大きな犠牲を払い、正しいと信じることを行ってきたのです

議会の皆さんはどうかそれぞれの票を、政界で出世するために投じるのではなく
祖国のために正しいと信じることに投じてください

でも私の願いは虚しい
叶わぬ夢でしかない
なぜなら国の制度が腐っているから
良心に従って投票する正直な政治家は報われない

利益を得るのは卑劣なネズミ
エサを食べ続けるために祖国を犠牲にする
間違えないように
このネズミどもがアメリカの民主主義を蝕む本当の寄生虫

 

 

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