Movie Review : ベニシアさんの四季の庭
彼女の庭と同じようにベニシアさんの人生にも四季がある
NHKで長い間放映されてたイギリス貴族階級出身のベニシアさんの京都大原での古民家での生活を映画にしたもの。
テレビシリーズをほとんど見ている自分にとっては新しい事は特になかった。
このテレビシリーズを見たことが無い人にとっては、ベニシアさんや彼女の考えなどを知るにはよくまとまっていると思う。
ベニシアさん自身は穏やかで優しい感じの女性ですが、なかなか波乱万丈の人生を過ごしてきた。
彼女の価値感にまったく合わないイギリス貴族の生活から抜け出しインドに向かったところから彼女の冒険がスタートする。
いつも思うが、平穏無事で何も無い人生なんて無いんだな、と思う。
穏やかでいつも幸せそうにしている人ほど、実は苦難の道のりを歩んできた人だったり、実際に今大変な状況を乗り越えている最中の人だったりすることがあると思っている。
だからこそ平穏な自分を保つことができるのか。
ベニシアさんはインドから日本に来て、結婚、子育て、離婚、仕事、再婚、家族の病気、事故など想定していないことが次々と起こる。
つらい状況でも、日々の生活を丁寧に大事にすることで乗り切ってきた彼女の生き方に、日本人以上に日本を感じてしまう今の日本人がたくさんいるからこそ、彼女の言動が支持されるのだと思った。
彼女の価値観は、日本的というより普遍的という感じがするのだが。
京都大原という土地になじんでいる彼女が、より日本的に見えるのだろう。
京都は元来閉鎖的な土地柄だと思うが、ベニシアさんは古民家を再生し美しい庭を造り地域によく溶け込んでいると思う。
イギリスのかつては貴族の領地だった田園地方も閉鎖的で、同じように自然を愛し京都と少し似ていると感じた。
「特別な事をする必要はない、日常の小さな仕事に丁寧に取り組めば、幸せは感じられる。」
「忙しい時ほど、ゆっくりと丁寧に仕事をする。」
「効率ばかり考えて急いでするほど、幸せは遠ざかっていく。」
ベニシアさんからはこんな事を学んだ。