Movie Review : 哀しき獣
これをハッピーエンドと呼ばすしてなんと呼ぶか!
ナ・ホンジン監督の「チェイサー」「哭声」を見てから同監督が好きになって見た。
中国には、北朝鮮との国境沿いに北朝鮮族の自治区があり、まったく知らなかったが
そこには朝鮮人が200万人以上暮らしているそうだ。
そこで暮らす独りのタクシードライバーの男が主人公、家計が苦しく妻が韓国に出稼ぎにいくためにした借金のために首が回らなくなっている。
その弱みに付け込む悪い奴と迫力のある死闘を繰り広げる。
ジャンルでいうとフィルム・ノワール(悲観的な犯罪映画)なのだが、私はハッピーエンドのロマンチック・ラブロマンスとして楽しんだ。
もちろんド迫力のアクションありまくりで飽きない。
そんな中で主人公が生きながらえたのは、状況を読み、的確な判断をしてそれに沿って
行動したことだなぁとつくづく思う。
力のある者、知恵のある者はもちろん強いのですが、その傲慢さが邪魔をして結局最終的な勝者ではなくなるところが痛快といえば痛快。
そして、圧倒的弱者である主人公が一番大事なものを取り返すことができるのです。
これをハッピーエンドと呼ばすしてなんと呼ぶか!
この映画は絶対にエンドロールの最後まで見てほしい。
それを見ないと映画がまったく違ったものになってしまう。
ちなみに同監督の映画「哭声」では、メインキャストとして日本人俳優の国村隼さんが出ていて韓国の映画祭で権威ある青龍映画祭で2016年の助演男優賞と人気スター賞のつ2冠を獲得した。