Movie Review : 優雅な世界
これが人生なのか？
ソン・ガンホさんが出ているので見た。
ヤクザ家業の男性が、夫として父親として如何に家庭では肩身が狭いかというお話。
全編にももの哀しい情緒や哀愁を漂わせている。
外では部下もいて、金と暴力で自分の権威を誇示しているものの、それが家庭や学校では
まったく通用しない。家庭には子供が二人いて、長男はカナダに留学中。
妻や娘から文句ばかり言われながらも、家族のために素敵な一軒家を購入しようと下見に行き、
見に行った家で、日当たりのいい部屋は「娘の部屋にちょうどいい！」などと言っている。
切ない・・
そんな彼に人生の危機が訪れる。
仕事のトラプルからはら命を狙われるほどのピンチに。
家庭を持った男性がこういうピンチに見舞われると大体家庭が危機になる。
金の切れ目が縁の切れ目
で、妻は夫にこう言う
「その仕事辞めるって言ったでしょう？」
「娘の学校で変なことしないで」（実際これは恥ずかしい）
「あなたのせいで（妻の）私と娘は恥ずかしい思いをしている。」
「いつ仕事を辞めるの？」
「離婚して！」
こういう場面で、いつも妻は夫に文句をいう。
でも考えてみて欲しい。
いつも妻は夫のせいにするけど、ヤクザと知って結婚したんでしょう？
ヤクザと知って、結婚生活を20年も続けてきたんでしょう？
ヤクザ家業で稼いだお金で生活してきたんでしょう？
ヤクザのお金で、子供を留学までさせているんでしょう？
なんでも自己責任で、というのも言いすぎだとは思っているけれども、
なんでも人のせいにする人っていますよね？
そういう人に嫌悪感を覚えてしまうのは私だけ？
そういう人は、つまらないのも他人のせいにして、
「なんか、つまんなーい！」とか文句を言う人。
私だったら、「自分で楽しくしろよ！」と言いたくなるのだけど。
男性だって、好きな女性を楽しませたいから、「つまんなーい」と言われない様に頑張るのだろう。
だけど、年齢を重ねながら一緒に生活しているのに、全てを夫のせいにされるのって疲れないか？
エネルギーや創造性が全部失われちゃうような気にならないか？
なんだか、そういう映画本編とは違うことを考えながら観てしまう哀愁漂う映画でした。
最後にヤクザを辞めるチャンスがあったのに、家族の幸せ（お金？）のためにそれを投げ打ってしまう夫。妻もそうと分かってて、止めなかった。
それでやっぱり一人になる・・・
こんな生き方やめようよ。
