Book Review : 睡眠負債 “ちょっと寝不足”が命を縮める

「睡眠不足は体に悪い」とかいうレベルの話じゃない!

知られざる重大な健康リスク

 

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「睡眠不足は体に悪い」

というのは、誰でも言われなくても理解していることであり今さら強調される必要もないと思っていた。

でも睡眠不足が体に及ぼす影響は、思っているよりずっと重大であることが本書を読んで分かり、ショックだった。

知らずに安易に癌や認知症の原因となることをたくさんしていたと思う。

 

本書では、毎日のほんの少しの睡眠不足が借金のように溜まる事を「睡眠負債」と呼び、単純な睡眠不足とは区別をしている。

少しづつの睡眠不足が体に蓄積すると、睡眠負債となって命に関わる重大な病を招く。睡眠負債とは、「健康に対する借金のようなもの」と考えればいいだろう。借金が毎日毎日たまっていると考えると恐ろしいものがある。

 

睡眠不足は、がん(特に乳がん)や認知症のリスクを上げ、生活の質の低下をもたらすらしい。

衝撃的なのは、多くの人は睡眠負債が溜まっている(慢性的な睡眠不足であ)ことを自覚していないこと。

確かに、睡眠不足を自覚する事はあるが、たまにたくさん寝れば解消されるものだと思っていた。でもそうではなく、どんどんたまる睡眠負債をそれで解消できる訳ではないのだそうだ。だから、毎日きちんと必要な睡眠時間を確保する必要があるということのようだ。

 

日本人の40%が一日の睡眠6時間以下であるらしい。

国民の半分近くが寝不足で、仕事や勉強などあらゆる分野で本来の力を発揮できていないと考えると、国力をものすごく損なっている深刻な問題だと思う。

子供の成長に与える影響や、学力に及ぼす影響、大人の精神状態への影響、重大事故との関係、腫瘍の成長速度との関係性など衝撃的なデータがたくさん載っているので、それらを知るのは意味のあることかと思う。

 

睡眠負債を解決するには、最低7時間は寝ること

自由に寝られる休日にいつもよりたくさん寝てしまう人は睡眠負債が溜まっているのであって、普段の睡眠が足りないということ。

 

個人的な考えとしては、何時間寝ればいい、という他人のデータに踊らされれず、実際に自分がいつもどのくらい寝ていて、気分はどうか、仕事ははかどっているか、など自分の感覚を大事にして、自分の判断で睡眠が足りているのか、足りていないのかを判断するべきと思う。

自分の経験でも睡眠が足りないときは、頭の奥の方にモヤがかかったような状態になる。

休日にたくさん寝てしまう人は睡眠負債が溜まっているということなので、睡眠が足りていないと判断したほうがよさそう。

 

まずは睡眠時間を確保して、それから逆算して生活習慣を見直すべき!

 

 

睡眠負債の返し方」も記載されていて、参考になる。

 

7時間も眠れないなどの声も出てきそうだが、日中に頭と体を使ってないから寝られないのである。一駅分歩くとか何か工夫が必要ではないか。

日中頭が使ずに仕事の効率が下がるのは、睡眠が足りないからなのか、睡眠が足りないから頭が回らないのか、鶏と卵の話だが、おそらくその両方なのだろう。

 

本書とは関係ないが、私の好きな言葉を。

「睡眠とは、死ぬときに支払わなければならない、資本に対する利子なのだ。

利率が高ければ高いほど、また、定期的に支払いをしているほど、償還日は延期される」

ショーペンハウアー

 

とにかく、睡眠不足を軽んじちゃいけない!ということが身にしみてよく分かった。

一読をオススメします。

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